急性上気道炎

風邪のイメージ写真

いわゆる"かぜ症候群"のことです。最もよくみられる呼吸器疾患で、ふつう1週間以内に自然に治りますが、高熱が続く場合、水分摂取が減っている場合、咳でよく眠れない場合は、病院で治療を受ける必要があります。
原因のほとんどはウイルスですので、抗生物質(抗菌薬)は効果がありません。
乳幼児の場合、鼻汁で鼻呼吸ができなくなってしまうと、眠りが浅くなり、せき込みが強くなることがあります。鼻のかめない乳幼児では、鼻汁吸引器で鼻を吸ってあげる必要があります。

急性胃腸炎

ウイルスや細菌に感染することによって、腹痛や嘔吐、下痢などの症状を起こすことを指します。特効薬はありませんが、長くても2週間以内には自然に治る病気です。ノロウイルスやロタウイルスによるものは感染力が強いため、感染性胃腸炎とも呼ばれます。脱水にならないよう経口補水液を少しずつ摂取させますが、嘔吐が半日以上続く場合は、病院で治療を受ける必要があります。

便秘症

便の回数が週3回未満だったり、便を出すときに痛みや出血を伴う場合を便秘と言います。便秘を放っておくと腸内で便の水分が吸収され、だんだん固くなります。固い便を出すときには肛門が痛むため、さらに排便を我慢します。このような悪循環が続いていると、便が常に腸内にある状態が続いて腸が鈍感になり、便意が生じにくくなります。成人の便秘では水分補給が効果的と言われることがありますが、こどもの便秘では食物繊維の摂取が重要になります。かといって、こどもはなかなか野菜を食べたがりません。便秘でお悩みの場合は、小児科受診をお勧めします。

低身長

3歳健診や学校の内科検診で、標準的な成長曲線から外れた場合、低身長と指摘されることがあります。医学的には、標準身長の-2.0SDを下回る場合を低身長症といいます。ほとんどの方が体質性ですが、ホルモン異常、腎機能異常、染色体異常、頭蓋内腫瘍などの治療が必要な場合もあります。診断のためには、血液検査、脳MRI検査、骨年齢測定以外に、成長ホルモン分泌刺激試験を行う必要があります。

夜尿症

5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものを「夜尿症」といいます。ほとんどの方が生活指導のみで改善します。寝る前2~3時間は水分摂取を控え、寝る前にトイレに必ず行っているかを確認します。便秘の方は、食物繊維の多い食事を心がけましょう。小学校にあがっても夜尿症が続く場合は、治療が必要になることがあります。夜尿症の3大原則は、起こさず、怒らず、焦らず、です。ご本人やご家族の悩みが深ければ、医療機関に相談しましょう。

育児相談

初めてこどもを授かったとき、こどもがミルクを飲まない、夜泣きが止まらない、便が出ない、下痢が続く、言葉をしゃべらない、好き嫌いが多い、他の子を叩くなど、どう対処すればよいのか、病気なのかどうか、誰に相談すればよいのか、小児科医なのにとても悩みました。
インターネットには、不安をあおるようなことばかり書いてあり、どれが正しい情報なのかわかりません。5人の子育てを経験して、ようやく少しだけわかるようになりました。そんな悩みに少しでも力になれればと思います。